悟りは 言葉にはならない 2
宇宙の源から、もう一度生活に戻るまでは中々大変であった。
正確には、大変と感じられる個人意識がないから、なんと言い表したらよいのか難しいところではあるが、
何もなき源から、分離を作ることは
ただの独り言でしかなく
永遠に自分で自分に話しかけるパフォーマンスでしかなかった。
だって、誰も居ないのだ…!
しかし家族には、その個別の肉体を自分だ、誰だと感じる自我があった。
だから、こちら(こちらとあちらはないが)に話しかけてくる(話しかけてくるという認識も成立しなかったが)。
無我でただ、家族を見つめるこの体に、梵天は言う。
返事をしなさい。
そして この体になにが起こったか、話して行きなさい。