自我が満たされることはない

自我を一時的に満たすばかりのスピリチュアルが蔓延している。一時的に満ちたような、やる気がでたような、幸福感を得たような、精神的に進化したような感覚になるそれらに、終わりはない。苦しみから脱却したくて、パッと見良いことばかり書いてある宣伝文句に惹かれて、沢山のセッションやセミナー、ワークショップに参加しては、いつか楽になると信じて参加し続け、散財してしまうという話を時折聞くことがある。

 

そもそも自我は満たされたまま永遠に幸せであり続けることはない。この仕組みに気づいて欲しい。

 

自我というのは何かに反応して変化してゆく流動的なものである。キラキラと生き生きとするような、良さそうなことを得たところで、反応して変化するという仕組みはそのまま有るのだから、日常に戻りその対象、事象に反応したら再び同じような心身の反応は呼び起こされる。

 

そこでまた苦しみを味わうから、楽を味わえるスピリチュアルな催し物に足を運んでしまうのだ。果てには自分が何か進化した人間になったような錯覚に陥って、スピリチュアルに目覚めていない自分以外の人間を見下したりしてしまうことさえあるという。本末転倒だ。

 

自我の働きの停止、無思考の中にのみ揺るがない安堵と平穏があることに気づいて頂きたいと思う。