幻想
人が人を羨む時、その人の背景にあるその他の事、目に見えない苦、歩んで来た過程の苦には気づいていない。人を羨むというのは視野が狭くなっている時に感じられる幻想だ。
人と自分を比較するのは、誰かより優れていると、分かりやすく認められるという社会の刷り込みから発生している。優れていたら愛されるという幻想を人は持った。
賞賛は無常だ。得ても得ても辿り着かない。ひとつ得ても、また次を求めるそのサイクルが苦の正体だ。求めるのをやめ、今に居なさい。
人は得たら幸せになる、維持できたら幸せであるという幻想を抱いている。得た満足は無常だ。反対に今ある苦しみも無常だ。ただ今に居なさい。
“今”の連続を思考で繋げて人はそれを過去や未来と呼ぶ。しかし常に今があるだけなのだ。人は思考の中に生きている。過去を悔やみ未来を案ずる。しかし、永遠に“今”しかない。今に居なさい。今に在りなさい。
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